第48回日韓技術士国際会議は、2018年10月17日(水)から19日(金)までの3日間兵庫県神戸市のホテルオークラ神戸を主会場に開催された。神戸市は人口150万人超の大都市でありながら、北に六甲山系の豊かな自然と、開港150年を迎えた神戸港から多様な外国の文化を取り入れてきた町である。

私は日本技術士会副会長ならびに日韓技術士交流委員会元委員長として、また、鳥取県支部の一員として参加した。開催前までは日本では秋晴れの好天気が続いており、開催に対しての天候への不安はなかった。しかし、9月の台風21号により関西空港が多大な被害を受けたことから、韓国からの参加者がどうなるのかとの懸念があったが、比較的早く関西空港が再開したこともあり、開催関係者もほっとしていた。

今回の会議テーマは、「次世代スマートシティの展望と技術士の役割~経済・社会・技術要素の融合~」である。1995年の阪神淡路大震災から23年経過したが、復興した神戸の姿を多くの日韓技術士の方々に見ていただくことは大きな意義がある。そして、AIやIoTなどの新技術に両国の技術士がどのようにかかわって、新しい未来を描いていくのかを基本テーマとして開催された。

平成最後の年となり、地震や台風などの自然災害が多発した年でもあったが、この会の期間中は秋晴れに恵まれ、参加者の協力に加え、親善サッカー大会、レディースコース、研修視察など、3日間の行程を滞りなく終えることができた。

参加者数(技術士、事務局)は、日本から230名(203名)、韓国から97名(70名)であった。

【プレイベント(10月17日 午後)】

女性技術士の会

第12回日韓女性技術士交流会

青年技術士

第14回日韓技術士親善サッカー大会

全体行事

前夜祭、サッカー交流会、両国会長夕食会

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写真1 女性技術士交流会

第10回女性技術士交流会は、日本13名、韓国8名の参加を得て開かれた。両国活動報告、両国から1篇の論文発表が行われ、活発な質疑か交わされた。文化交流として会食をはさみ約1時間の内容の濃い会合となった。サッカー大会は、神戸王子スタジアムで開催された。好天の下、日韓戦は白熱した好ゲームが展開されたが、1‐1タイムアップとなり、大会ルールにより韓国が勝利した。試合後の前夜祭では双方選手たちが健闘を称えあった。

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写真2 日韓親善サッカー大会

【式典・全体会議(10月18日 9:00~12:00)】

式典では両国会長による式辞に続き、来賓からの祝辞を頂いた。荒木兵庫県副知事からは「兵庫県の魅力と可能性、阪神淡路大震災から復興した神戸が、新技術をけん引しているが、さらに技術士の役割が重要となっている」と歓迎。その後、韓国技術士への国際貢献賞の授与、基調報告が両国委員長から、そして会議テーマにもとづく基調講演が両国から行われ、記念講演で式典・全体会議が締め括られた。

両国会長挨拶

高木茂知(日本) 金在權(韓国)

来賓挨拶

兵庫県副知事 荒木一聡志

神戸市経済韓国局経済部長 志水達也

両国委員長報告

室中善博(日本) 李康建(韓国)

基調講演

(日本)「技術士が叶えるSociety5.0~アントレナーシップを発揮して~」河野千代(建設)

(韓国)「韓国スマートシティの展望、今後の専門家の役割」李康建(都市計劃)

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写真3 国際貢献賞表彰

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写真4 式典会場

日本側基調講演は「技術士が叶えるSociety5.0~アントレプレナーシップを発揮して~」と題し、河野千代 技術士(建設部門)が行い、最新技術と既存技術を融合させることで、劇的な変化をもたらす可能性を持つ技術士の役割、未来への展望を示された。

韓国側基調講演は「韓国スマートシティの展望、今後の専門家の役割」と題して李康建 技術士(都市計画)が行い、韓国におけるスマートシティの現状と今後の発展の解説と今後の技術士―技術専門家が果たすべき役割についての講演を行った。

 
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写真5 昼食弁当

【分科会(10月3日 13:30~17:00)】

午後は五つの分科会を開催。逐次通訳(第5分科会は英語発表)を交えて、開催地近畿本部からの発表者を含め36名の日韓技術士(日本17名・韓国19名)が発表し、会議テーマに沿った内容もあり、議論も白熱した実のある分科会であった。

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【レディースコース】(10月18日9:00~16:00)

日韓併せて33名が参加し、神戸ポートタワー、ファンタジー号でのクルージング、南京町散策、六甲山山頂からの眺望と青空にも恵まれて神戸を十分に満喫して頂いた。

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写真6 分科会の様子

【ポスター展示(10月18日9:00~17:00)】

本会議場横の別室で、両国技術士等によるポスター展示、情報・意見交換が行われた。展示数は9とやや少なかった。今回は、poster内容は大会テーマに関連した環境関連が目立った。本会議場にも近いことから、休憩時間にはコーヒー等の喫茶に多くの方が立ち寄っていた。

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写真7 ポスター展示

【親善晩餐会(10月18日 18:30~21:00)】

ホテルオークラ神戸の「平安」ホールにおいて、親善晩餐会が開催された。両国技術士会会長、久元喜造神戸市長、朴起準駐神戸大韓民国総領事の挨拶に続き、両国会長・委員長、来賓による鏡割りと伊藤仁志兵庫県理事の乾杯で幕を開けた。サッカー試合で勝利した韓国チームと両国のMVPに記念品が渡された。宇根﨑翠トリオによるJAZZ演奏、神戸ブラジル教会サンバチームによるパフォーマンス、サンバチームとのサンバトレインでは日韓参加者が一体となって会場を駆け巡った。続いて次回開催地の高陽市(Goyang)の紹介がなされ、歓迎の意気込みが会場一杯に伝わった。最後に、恒例の両国ご婦人方がコーラスを披露し、晩餐会の最後を飾った。

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写真8 両国会長・委員長・来賓の鏡割り

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写真9 晩餐会 日韓でコーラス

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写真10 サンバチームが踊る

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写真11 次回開催の高陽市の紹介

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写真12 兵庫県副支部長・大会運営委員長 萩原由紀子氏

【研修視察】(10月19日8:30~14:00)

研修視察は、1コースが設定されバス3台で行われた。

生田神社 ⇒相楽園 ⇒人とみらい防災センターを訪問した。最近、韓国でも地震が発生していたこともあり、阪神淡路大震災の経験と教訓を分かり易く伝えている展示は、韓国の参加者にとっては防災や減災の取り組みを知る良い機会となったであろう。

 
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写真13 生田神社

 
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写真14 人とみらい防災センター

【纏めにかえて】

2015年に日韓技術士交流委員会の委員並びに委員長を退任し、現在は委員会の顧問、日本技術士会副会長として活動しているが、交流委員会への出席が今年はおろそかになっていた。

今回の神戸開催についても運営内容の詳細はよく理解できていなかったが、当日参加してみると、細かい点での不備が目についた。韓国側のスケジュールの遅れや参加者が連絡もなくいなくなるなどはこれまでも経験したところであったが、日本側の案内についての配慮の不足も感じた。しかしながら、関西で初めての開催でもありながら、地元運営委員の方々はとてもよく準備をしていただいた。参加者も当初目標とした300名を超える実績を得たことは、今後の関西地域での開催の可能性に期待が持てる結果であったといえよう。

今回の会議では、基調講演者として女性初の日本側基調講演者として河野千代技術士に行っていただいたこと、地元運営委員長として兵庫県副支部長の萩原由紀子技術士に行っていただいたことなど、女性活躍の会議であったとも言えます。これまでは男性中心の日韓技術士国際会議でしたが、今回の例を参考として今後とも女性技術士が活躍のできる場にしていきたいものです。

また、会議のテーマである「次世代スマートシティの展望と技術士の役割~経済・社会・技術要素の融合~」はまさに現代の状況を反映したテーマであり、分科会においても活発な議論が行われていた。

2019年は韓国の高陽市(Goyang)で開催となります。仁川空国からも近く、ソウル市の北側にある人口百万人の新しい街とのことです。

皆様の参加をお願いします。

 
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